2022.03.29 2022.04.28
「トイレタンクの水が溜まらないんだけど、どうして?」トイレの使用に特に困るわけではないけれど、なんとなく気になるトイレの不具合。もしかしたらトイレタンク内にある「フロートバルブ」が原因なのかもしれません。そこで今回は、本当にトイレトラブルの原因がフロートバルブなのかどうかの確認の仕方と、フロートバルブをご自分で交換する方法を解説します。トイレのトラブルが気になる方は参考にしてください。
記事の内容
トイレタンク内のフロートバルブとは?

フロートバルブとは、トイレの水を流すときに使用するレバーハンドルと鎖で繋がっている、排水口をふさぐ部品です。
もともとはゴムで作られており、「ゴムフロート」とも呼ばれていましたが、最近では耐水性がゴムより強いプラスチックで作られているものが増えています。
まずは、トイレタンク内にあるフロートバルブと関連性の高い部品名と、フロートバルブの仕組みを説明します。
フロートバルブに関連する部品名

画像を参照して、トイレタンク内でフロートバルブ(ゴムフロート)と関連する部品の名前を確認しておきましょう。知っておくと以降の説明がわかりやすくなります。
レバー(レバーハンドル)
便器に水を流すためのハンドルです。大と小の表示があり、流す水の量を調節できます。
鎖(チェーン)
鎖によって、レバーとフロートバルブが繋がっています。レバーを動かすとフロートバルブが動きます。
排水弁
トイレタンクの底にある穴です。普段は排水弁をフロートバルブがふさいでいます。
オーバーフロー管
トイレタンク内に垂直に立っている管状のものが、オーバーフロー管です。オーバーフロー管は排水弁につながっており、トイレタンク内の水量が一定量になったら、便器に排出します。
ボールタップ
ボールタップはトイレタンクの水量によって、開閉する水栓のことです。
フロートバルブ
フロートバルブは画像で「ゴムフロート」と記述されている部品です。
フロートバルブの仕組み
フロートバルブの仕組みについて説明します。
レバーを回すと、レバーと繋がっている鎖が引き上げられ、フロートバルブが持ち上がります。排水弁が開いて、トイレタンクの水が便器の中に流れ始めます。
鎖が元の位置に戻り、フロートバルブも下がって、排水弁をふさぐことで水が止まる仕組みです。
フロートバルブが故障するとどうなる?

フロートバルブは排水口を開けたり閉じたりする部品ですが、故障するとどうなるのでしょうか?
水が止まらない原因としては、フロートバルブが劣化し、排水口をうまくふさげないことが考えられます。
また、ハンドルレバーを動かしても水が流れないのは、フロートバルブとハンドルレバーを繋いでいる鎖に何らかの問題があるのでしょう。
フロートバルブ不調以外のトイレの水が止まらない原因は?

水が止まらない原因はフロートバルブの不調以外にも、いろいろ考えられます。
- ボールタップの不調(ピストンバルブが壊れている)
- 浮き玉の不調
- オーバーフロー管が壊れている
- レバーハンドルが戻らない
ボールタップや浮き玉に問題がある場合は、止水栓からの給水が止まらなくなります。トイレタンク内で常にチョロチョロという水温が聞こえてくるのは、給水が止まらないためと考えられます。
便器に水が流れ続ける原因は、フロートバルブの不調以外にオーバーフロー管にヒビが入っているなどの不調が考えられます。
レバーハンドルとフロートバルブは接続されているため、フロートバルブそのものに問題がなくてもレバーハンドルに問題があると水が止まらなくなります。
レバーハンドルの軸や、レバーハンドルがフロートバルブと接続している鎖を確認してみましょう。鎖が切れているか、絡まっているだけかもしれません。
フロートバルブをチェックするための用意

フロートバルブはトイレタンクの底にあるので、チェックするためにトイレタンクを空にする必要があります。トイレタンクを空にするプロセスは次のとおりです。
- 止水栓を閉める
- トイレタンクのフタを開ける
- 水を抜く
それぞれについて説明します。
止水栓を閉める

水があふれ出てしまわないように、まず止水栓を閉めます。止水栓は画像の赤い丸で囲んだ場所です。
用意するもの
マイナスドライバー
止水栓の閉め方
マイナスドライバーを使って右回りに回します。もしマイナスドライバーをお持ちではない場合は、ハサミやナイフ、コインなど金属製の平らなもので代用してください。
注意事項
ドライバーを使って回すときに、片手で栓の根元を持って不用意な力が入ってしまい、壊してしまわないように気をつけましょう。
止水栓を閉めるときに何回回したかを数えておいて、メモしておきましょう。修理後に元の状態に戻せなくなってしまいます。止水栓を開くときは、左回りに同じ回数だけ回します。
トイレタンクのフタを開ける
トイレタンクには、手洗付きタンクと手洗なしタンクの2種類があります。手洗が付いてないタンクは、フタを持ち上げるだけで簡単に開けることができます。
しかし、手洗付きタンクの場合は、給水システムと接続しているため、取り外しが必要です。しかし特別な道具は不要で、手で外せるものばかりです。
用意するもの
なし
トイレタンクのフタの開け方
トイレタンクのフタと接続しているものは、次の3種類があります。ゆっくりとフタを開けて、接続しているものが何かを確認して対応してください。
- じゃばら管(じゃばらホース)
- ゴムホース
- 金属パイプ
もっとも一般的なものはじゃばら管です。じゃばら管はプラスチック製のナットで固定されているだけなので、ナットを手で左に回せば取り外せます。
ゴムホースはバンドでとめられているので、バンドを緩めます。金属パイプも簡単で、垂直に持ち上げると自然に外れます。
注意事項
トイレタンクは陶器製で重量があるので、1人で作業せずに2人で協力しながらがおすすめです。
水を抜く
次にトイレタンクを空にしてタンク内の部品を見やすいように、トイレタンク内の水を抜きます。
用意するもの
なし
水の抜き方
レバーハンドルで水を流します。止水栓を閉めているため、タンク内に水の供給がありません。
タンクの水がなくなるまで水を流しましょう。
フロートバルブの確認ポイント

トイレタンクの水を抜いたら、タンク内の部品を確認します。簡単に分かるものから順にチェックしましょう。
鎖をチェック
まず鎖に問題がないか確認します。確認する点は次の3つです。
- レバーハンドルと繋がっているか
- 鎖の長さは適切か
- 鎖が切れていないか
対策
鎖が外れていたら、レバーハンドルに設置し直します。鎖の先には輪っか状のものが付いているので、レバーハンドルに引っかけるだけです。
鎖が絡まっていることが原因で短くなっていたら、絡まりを取って適切な長さに調整します。鎖の長さは、ピンと張っておらずたるみが少しあるくらいが理想的です。
もし鎖が切れていたら、新しい鎖と交換します。
フロートバルブと排水口に隙間がないか
フロートバルブが排水口をちゃんとふさいでいるかどうかを確認します。ただ目視や触っただけではわかりません。ほんのわずかな隙間でも、水は漏れてしまうのです。
用意するもの
- バケツ
- ゴム手袋(手が汚れないように)
確認方法
空になっているトイレタンクに、バケツに水を入れて注いでみます。レバーハンドルを回していないのに、水がチョロチョロと流れたら隙間があります。
対策
バケツで水を注いで水がチョロチョロと流れるようなら、新しいフロートバルブに交換します。交換方法は後ほど紹介します。
フロートバルブが劣化してないか
排水口に隙間がなくても、フロートバルブが劣化していないかを念のために確認しておきましょう。
ゴム製の場合
フロートバルブを指で直接触ると確認できます。ただし、ゴム手袋をした状態で触ってください。
触ったときに指に黒い汚れがつけば、交換時期といえるでしょう。新しいフロートバルブを購入し、交換しましょう。
プラスチックの場合
フロートバルブそのものが劣化することはほとんどありません。プラスチック製のフロートブルブで水漏れがあるのは、フロートバルブに設置されたパッキンの劣化が原因です。
プラスチックのフロートバルブの場合は、大と小の2ヶ所の排水弁があるので、まず小側のパッキン、次に大側のパッキンを外します。次にそれぞれに新しいパッキンを取り付けます。
パッキンの種類や取り付け方は、メーカーの公式サイトに掲載されているのでそちらを参考にしてください。トイレの型番によって、パッキンの種類や取り付け方が異なります。
プラスチック製のフロートバルブはていねいに扱わないと割れてしまうことがあります。割れてしまうとパッキンだけではなく、フロートバルブ自体を交換しなくてはいけないので注意してください。
フロートバルブの交換方法

フロートバルブに問題があることがわかったら、フロートバルブを交換しましょう。
用意するもの
- 交換用のフロートバルブ
- マイナスドライバー
- ゴム手袋
手順
- フロートバルブを購入
- 古いフロートバルブを取り外す
- 新しいフロートバルブを設置する
- フロートバルブ設置後に水位を調節
それぞれについてさらに詳しく説明します。
フロートバルブを購入
フロートバルブはメーカーや型番によって異なります。次の2点を確認して探しましょう。
- メーカー名
- 型番
購入できる場所
値段の目安
500〜1,000円程度です。
フロートバルブの種類に自信がない方は、取り外したフロートバルブをホームセンターに持って行き、同じものを購入すれば確実です。
古いフロートバルブを取り外す
フロートバルブは数ヶ所で固定されています。無理に引っ張らずに一つひとつ外しましょう。
古いフロートバルブを触るときは、手が汚れないように必ずゴム手袋を使ってください。劣化したゴムの汚れは洗っても落ちにくいので、注意が必要です。
- 止水栓を閉める
- トイレタンク内の水を流し、タンクを空にする
- ハンドルレバーについた鎖を外す
- オーバーフロー管との接続部分を外す
新しいフロートバルブを設置する
取り外したときと同じ要領で、新しいフロートバルブを設置します。
- 新しいフロートバルブを、オーバーフロー管に設置
- ハンドルレバーに鎖を引っ掛ける
- 止水栓を開ける
フロートバルブ設置後に水位を調節したいので、トイレタンクのフタはまだそのままにしておいてください。
フロートバルブ設置後に水位を調節
新しいフロートバルブを設置したら、レバーハンドルを回して作動するかどうかを確認します。
トイレタンク内の水位をチェックします。水位はオーバーフロー管の先端から約2〜3cmのところが理想的です。
水位が高すぎたり低すぎたりした場合は、水位調節ねじを回して調節します。水位調節ねじはボールタップの付け根にある部品です。
水位が高いなら左に、低いなら右に回すことで調節できます。うまくできない場合は、以下の記事も参照してください。
フロートバルブ交換を業者に依頼した場合の料金

トイレタンクは陶器でできているため、重くて1人で開け閉めをし交換を行うことはかなり難しい作業です。
無理にご自分でしようとすると、トイレタンクを壊してしまうかもしれません。もし作業に慣れておらず不安を感じていらっしゃるなら、水道修理業者に相談がおすすめです。
無理にご自分で作業をして壊してしまうと、さらに高額の修理料金が必要になってしまうかも。
フロートバルブの交換だけなら、比較的安く修理をしてもらえます。フロートバルブの部品代が1,000円以下で、作業料金・出張費込みで相場は8,000~11,000円くらいです。
複数の業者に相見積もりをしてもらってから、信頼できる業者に依頼してください。
トイレの水漏れが気になったらフロートバルブを確認!
今回は、トイレのトラブルがフロートバルブなのかどうかを確認する方法や、フロートバルブの交換方法をご紹介しました。
フロートバルブはご自分でも交換可能で、TOTOやLIXILといったメーカーの公式サイトにも詳細に交換方法が説明されています。
しかし、ご自分で交換する自信がない場合は、水道修理業者への依頼が確実です。
信頼できる水道修理業者をお探しなら、当サイト『セーフリー』をご利⽤ください。当サイトには、検索機能が付いており、ご希望に合った業者を見つけられます。掲載している業者は、技術力のある信頼できる業者ばかりなので、安心してご利用できます。

トイレのフロートバルブでよくある質問
-
フロートバルブって、なんですか?
フロートバルブとは、トイレの水を流すときに使用するレバーハンドルと鎖で繋がっている、排水口をふさいでいる部品です。
-
水漏れの原因がフロートバルブかどうか、どうやってわかりますか?
トイレタンクの水を抜いて、フロートバルブを確認しましょう。確認方法はこちらです。
-
フロートバルブの交換を業者に依頼したいのですが…。



































